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2002年11月定例議会一般質問 2002年12月9日 概要版

消防防災ヘリの導入について
サーチライトの規制について
ホームヘルパーの就労条件の確保について
食の安全について
産学官連携による産業振興の強化策について
「県の木」を取り巻く状況について

 「消防防災ヘリコプターの導入」についてお尋ねいたします。
 このことについては、昨年度所属しました厚生常任委員会でもたびたび議論になり、早期導入に向け各委員から強い要望が出ておりました。
 私も平成12年11月議会で早期導入について質問をいたしました。当時の生活環境部長の答弁は、「防災ヘリの有用性については十分認識しているところでありますが、解決すべき多くの課題がありますので、今後さらに研究を行ってまいりたいと考えております。」とのことでありました。
 申し上げるまでもなく、本県の高度(高次・3次)救急医療施設は県立延岡病院、同宮崎病院の2カ所しかなく、しかも日向灘の海岸線に立地しております。
 本県は九州山地を抱え、西諸・県南も含め交通の難所が多く、救急搬送に時間が掛かっております。したがいまして、臨機応変に対応できる消防防災ヘリの整備が急務であります。豪雨や地震などの災害の時となればなおさらであります。
 先月、生活環境部長を委員長とする宮崎県航空消防防災体制検討委員会が検討成果をとりまとめられました。検討委員会として「本県において消防防災ヘリを導入する必要性について、今後早期に導入する必要性が確認された」と報告されています。
 このことは、本県の航空消防体制の確立に向け大きく前進したものと考えます。
 さらに、この報告書によれば「実際の導入に際しては、ヘリコプターの整備運用に多額の経費を要し、また、その効果的運用を図る上では、県、市町村等との役割分担や具体的な基準の作成など様々な課題もあることから、関係機関が一致協力して本県の航空消防体制の確立に向けた取り組みを切望する。」となっております。
 確かに、実際の導入となれば多額の経費もかかりますし、関係機関との調整も大変だろうとは思います。しかし、導入に向けて走り出したわけですから後戻りはできません。
 そこで問題としたいのは、航空消防隊員の確保とその市町村の負担であります。機体やヘリポート、パイロットは県が整備するとしても経験豊富な消防隊員は各消防局・消防本部にしかいません。当然、各消防から派遣をしていただかなければなりませんが、問題はその経費であります。報告書によると、「航空消防隊員の給与および共済費等については、その総額を全市町村で負担することが望ましい」となっております。
 しかし、私には大きな疑問であります。現在に至るまで、消防防災ヘリの導入が遅れてきたのは、市町村や消防から導入を望む声が聞こえてこなかったことも一因だと思います。なぜなのか。それは、「優秀な人材を派遣しろ。金も出せ」という市町村への経費負担を恐れたからに他ならないからではなか。そうだとしますと、市町村や消防本部の理解が得られず、ヘリの早期導入への取り組みに支障が出てくるのではないでしょうか。
 今後の導入に向けた取り組み計画及び費用負担問題について、生活環境部長にお伺いいたします。

(答)
1消防防災へリコプターの運航にあたりましては、消防本部から消防吏員の派遺を受けて、派遣を受けた消防吏員の人件費について、市町村での経費負担が行われるのが全国的な例であります。
2今年度には、このような負担部分を含めてご理解をいただき、市長会、町村会、消防長会等から「消防防災ヘリコプターの早期導入」について、それぞれご要望を頂き、航空消防防災体制検討委員会にもご参加をいただいたところです。
3今後は、検討委員会での検討結果をふまえまして、消防防災ヘリコプターの早期導入に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

(再質問)
 「消防吏員の人件費等の総額を全市町村で負担するということを、各市町村は理解のうえ、消防防災ヘリの早期導入を要望。また、それを受けて市長会、町村会、消防長会の代表も検討委員会にも参加している。」 との答弁だと理解してよろしいでしょうか。
再度確認します。部長に。

(答)
お答えします。派遣をいただく消防吏員の人件費等につきましては、市長会、町村会、消防長会にご説明する機会がありましたので、全市町村で負担いただくということで、ご理解いただいているものと考えております。

(要望)
 常備消防の運営方式は、(1)市消防本部に近隣町村が委託する方式(2)一部事務組合で運営する方式(3)市単独で運営(4)そもそも常備消防を持たない9町村と4種類あるわけであります。消防の立場からすれば、毎年の予算獲得、人員確保に大きな苦労を強いられています。すべての構成市町村の合意がなければ予算化が認められないからです。今後、県に派遣した後の消防吏員の補充は確保できるのかなど、不安を持ちます。一方、消防現場からは早くも「ぜひ航空消防に行きたい」との声も聞かれます。組織の活性化のためにも、職員の士気の向上、技術力の向上のためにも大いに期待のもてる事業でもあります。ぜひ、関係団体と緊密な連携の元早期導入に向けご努力いただきたいと思います。

 次に「サーチライトの規制」について、お尋ねします。
 遊技場などの屋上で夜空をぐるぐる回っているライトです。議員寮からも見えます。
 佐賀県は、岡山県に次いで全国2番目の都道府県となるパチンコ店の宣伝用サーチライトの禁止を盛り込んだ「環境の保全と創造に関する条例」を9月議会で可決しました。 条例では、企業など事業者が環境に配慮する活動を規定する中で「屋外でサーチライトやレーザーなどの投光器を特定の対象物を照射する目的以外に使用してはならない」としています。「規定にはパチンコ店のサーチライトのほか自衛隊の投光や灯台も該当するが、公的な設備やイベントで使うレーザー光線などの一過性のものについては除外」となっております。
 佐賀県環境課によると、県内では9店が設置しており、天文ファンや住民から規制を求める意見が出ていたとのことです。
 「光害」を規制する法律はないが、旧環境庁は平成10年3月、水平より上方に向かう光を一定量以内に抑えることなどを柱とした対策ガイドラインを策定。その後、光害の取り組みの普及を図るためにモデル事業、マニュアルの策定、さらに平成13年9月に「光害防止制度に係るガイドブック」を策定し、自治体に一定の規制を推奨する施策に乗り出しています。環境省大気生活環境室は、「植物の生育への悪影響や睡眠障害といった実害の報告もある。電力の無駄遣いでもある」とコメントしています。
 パチンコ店のサーチライトは10年ほど前から全国的に広がったようで、都城でも数カ所見受けられます。今後さらに増えてくるのではないかと懸念しております。
 まず、県内のサーチライトの現状をどのように把握されているか。またそのことをどのように認識されているか、生活環境部長におたずねします。
 今後、設置する施設が増加することが懸念されます。増えてからの規制はたいへん難しくなると思います。新規設置を牽制するうえからも、今のうちに何らかの規制をすべきだと考えます。その考えはないのか、併せて生活環境部長の見解をお伺いします。

(答)
サーチライト等の投光器に係る一連のお尋ねでございます。先ず、県内の現状とそのことに対する認識についてであります。
1市町村の調査によりますと、本県におきましては、現在、サーチライトが宮崎市に1基、都城市に2基、パチンコ店等で使用されていると聞いております。
2また、サーチライトの使用による光害の苦情がこれまでに市町村に3件寄せられましたが、いずれも話し合いによる解決がなされたと聞いております。
3県におきましては、投光器の光は遠くまで届くために、景観保全や星空観察上、その是非については様々な御意見があることを承知しております。
次に、使用の規制についてであります。
1サーチライト等の投光器の使用による光害につきましては、風土や文化、経済など地域の実情により、景観をはじめとする日常生活に与える影響が異なるものと考えております。
2このようなことから、光害(ひかりがい)の規制につきましては、今後、国が策定しました「光害防止制度に係るガイドブック」に従い、市町村などと連携を図りながら、見極めて行く必要があると考えております。

(要望)
 部長の答弁を聞きますと、私の認識とは大きな開きがあります。部長は、「風土や文化、地域の実情により日常生活に与える影響が異なる。」と言われますが、44市町村どこにも、この宮崎にはまったく不要です。「市町村などと連携を図る」まえに県独自に規制の方針を示して公表していただきたい。それだけで新規設置は抑制されると思いますので早急な対応を御願いします。

 「非常勤ホームヘルパーの就労条件の確保等」についてお尋ねいたします。
 介護保険制度は、ご承知のとおり、平成12年4月、疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練などが必要な方々が、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるために、必要な保健医療サービスや福祉サービスに係る給付を行い、国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的として創設されました。
 さて、介護保険事業の中心的役割を担うホームヘルパーの処遇についてであります。本年5月に介護・福祉ユニオンネットワークが関東4都県を対象に行ったアンケート調査を引用いたしますが、登録ヘルパーの9割が社会保険、雇用保険がないとの結果が出ています。また、平均月収10万円未満が過半数であり、扶養控除の範囲の人が多い40歳から50歳代が多く、家計補助的な就労が多いようです。本県も同じような状況にあるのではないでしょうか。
 また、20歳代から30歳代の過半数が「賃金が低すぎる」と不満を持っており、交通費の未払いは3割、休業補償もないとの回答もあります。現状のヘルパーの実働時間賃金は1220円であり、年収200万円にも満たない状況です。自立した職業として成り立つ賃金と技能を保障できていません。
 このようなホームヘルパーの職場環境及び低賃金の現状について、どう考えておられるのか、福祉保健部長の見解をお伺いします。
 もし「交通費は無支給、社会労働保険不適用、有給はなし」という実態があるのであれば、これは、厚生年金保険法、健康保険法、雇用保険法、労働者災害補償保険法などの社会・労働保険の各法に違反して雇用されているということになりかねません。
 この問題については、総務庁行政監察局が非常勤ホームヘルパー等の処遇改善について行政監察を行い、労働基準法や労災保険法など数々の法律に違反の実態に鑑み当時の厚生省に対し改善の勧告を行っています。この勧告を受け当時の厚生省は平成8年5月各都道府県に対し、通知を出しています。その通知の中で、具体的に雇用関係法令の遵守について市町村、関係機関等に周知徹底を行うよう要請しております。その後、介護保険制度が導入され、福祉サービスの提供については行政の委託方式(措置制度)から個人契約方式に大きく変わり行政と事業所の関係は大きく変わりましたが、依然としてヘルパー等の処遇改善は遅れているのが現状です。サービスの契約関係は大きく変化しましたが、県として保健・医療・福祉従事者の処遇改善、法律遵守を指導助言しなければならない立場であることにいささかも変わりはないと思います。
 雇用の場の拡大を促進させ、身分の不安定なヘルパーの勤務条件を改善し、介護職の専門職としての地位を確固たるものにし、介護職従事者にとってやりがいが持て収入の見合った労働の場とすることが必要です。
 非常勤ホームヘルパーの処遇問題に対する本県の取り組み状況につきまして、常勤ヘルパーの確保対策と併せて、福祉保健部長にお伺いします。

(答)
非常勤ホームヘルパーの職場環境等についてであります。
1本県におけるホームヘルパーの従事者数は、現在約2,200名であり、そのうち非常勤職員が約1,800名と80%を占めており、勤務条件については、必ずしも十分ではない面があると考えております。
2ただ、賃金につきましては、介護サービスの利用者とサービス事業者の契約に基づく介護報酬から支払われている介護保険制度の趣旨から、事業経営の観点も含め、それぞれのサービス事業者の判断に委ねられているところであります。
次に、処遇間題に対する取り組み等についてであります。
1県におきましては、介護保険サービス事業者に対して、所定の雇用保険の加入や労働条件を明示した雇用契約の締結など労働関係法規の遵守とその適正な運用について、関係機関と連携を図りながら、指導を行っているところであります。
2また、ホームヘルプサービスは、在宅サービスの重要な柱であり、質の高い介護サービスの提供をするためには、何よりも人材の確保が必要であります。
3そのため県としましては、今後ともホームヘルパー養成研修や貫の向上を図るための研修を実施してまいりたいと考えております。

 次に、「食肉衛生検査所の検査体制拡充」についてであります。
 BSE発生後に始まった全頭清浄検査では、限られた人員、機材、手狭な検査室で日夜頑張っておられることを、行政視察等をとおして、よく理解いたしております。この臨界体制がいつまで続くのか、従事されている職員の方々の健康は大丈夫なのかと心配いたしております。
 清浄国との認知を受けるのにBSE発生後7年はかかると聞きました。いつまで続くのか分からない中にあって、職員の方々の不安も大きいことだろうと思います。
 このような状況の中で心配されている一つが、検査室がまだ整備されていないことです。私も複数の食肉衛生検査所に行ってみましたが、その検査室は従前のままであり、その狭い中での検査。休憩室も未整備。もともと、どの施設も老朽化して職員・来所者の駐車場もまともに確保できない手狭な敷地であります。逐次近代的な施設に建て替えなければならないと思いますが、当面検査室の整備はどうしても急ぐ必要があります。
 今後の整備計画について、福祉保健部長にお伺いします。
 また、現状では確認検査は県外の検査施設に送らなければならない訳ですが、BSE検査が長期にわたることは必至であります。早急に県内で実施できる体制整備は考えておられないのか、また検査職員の増員についても併せて福祉保健部長の見解をお伺いします。

(答)
食肉衛生検査所の整備についてであります。
1検査所の整備につきましては、今年度、高崎食肉衛生検査所の補修工事を実施するなど、計画的に整備を行っているところであります。
2また、昨年10月からBSE検査が始まったこともあり、今後とも、検査体制の一層の充実を図るため、検査室等の整備に努めてまいりたいと考えております。
次に、BSE確認検査についてであります。
1県で実施するBSEスクリーニング検査で、疑陽性が出た場合、国において確認検査を実施することとなっており、現時点では、県独自で確認検査を行うことはできません。
2自治体におけるBSE確認検査実施方法につきましては、国の専門家会議において、検討がなされておりますので、今後、国の動きを見守ってまいりたいと考えております。
食肉衛生検査職員についてであります。
1現在、正規検査員及び嘱託検査員合わせて114名体制で、と畜及び食鳥検査を実施しているところであります。
2なお、BSE検査の始まった昨年10月には、嘱託検査員10名を緊急的に増員し、対応したところであります。
3BSE検査につきましては、と畜場との連携や検査技術の向上により、検査時間も短縮されてきており、今後とも、円滑な検査の推進に努めてまいりたいと考えております。

 次に、本県産加工食品の認証制度についてであります。
 食の安全確保問題につきましては、BSE、産地偽装、原産地不正表示、残留農薬問題と嘆かわしい事態が次々と発生してしまいました。
 消費者はもちろんのこと、丹精込めて安心安全な食料を提供しようと日夜努力している生産者のみなさんから怒りの声が聞こえてきます。まさに食の安全は地に落ちた感じです。今後関係者一同、その信頼回復に全力で当たらなければなりません。
 また、食品の表示関係を見ましても、食品衛生法、JAS法と2つに分かれており、表示の方法も統一されておらず、購入した食品の安全性を確認しようとしても、消費者には大変分かりにくい状況にあります。
ライフスタイルの変化に伴い、食料消費が多様化する中で、食生活における加工品の役割はますます重要になってきており、また、農産物の高付加価値を高めたり需要拡大を図る意味からも、今後農産物の加工については積極的に推進を図るべきではないかと考えます。
 現在、本県では、みやざきブランド推進対策の中で、安全・安心な農産物づくりを推進するとともに、新たに創設した「商品ブランド認証制度」により、基準をクリアした農産物については、認証マークを使用し、品質を保証する事業を推進されています。現在の認証品目は、肉、野菜等の素材のみとなっています。
 そこで提案であります。
 現在、推進されているみやざきブランド対策の一環として、商品ブランド認証制度の対象品目を加工食品まで広げ、本県産加工食品の安全、安心をPRする大きな武器としてはどうでしょうか。農政水産部長に見解をお伺いします。

(答)
加工食品を対象とした認証制度についてであります。
1地域の特徴を活かした加工食品の開発や販売促進を図ることは本県農産物の付加価値を高める意味から、大変重要であると考えております。
2このため、県におきましては、食品産業と産地との情報交流の促進や、本県農産物を活用した、こだわり加工品の開発支援など、特徴のある加工品の生産・販売を推進しているところであります。
3併せて、現在取り組んでおります、みやざきブランド対策におきましても、地元に根ざした産品で、他産地の商品と明確に差別化が可能で、商品の特徴を前面に打ち出して安定的に販売できるものにつきましては、商品ブランドとして認証していきたいと考えております。

 次に、「産学官連携による産業振興の強化策」について、お尋ねいたします。
 先月、宮崎大学地域共同研究センターでは、宮崎大学と企業の交流をさらに深めていく目的で「みやざき産学交流会」が開催されました。その他にも県産業支援財団や県工業技術センターでも取り組みがなされ、相当の成果が出ていると聞いております。このような状況の中、次のような事例があります。
 例えば、「産学官の強力な連携のもと未来へ挑戦する」とのスローガンを掲げ活動されている、社団法人宮崎県工業倶楽部です。例年6月に開催される宮崎県産学官交流会や、11月に開催される「みやざきテクノフェア」などへの取り組みがあります。
 県内4地区に部会を置き、各地域でも活動されているとのことであります。都城地区は県西部会に所属していますが、活動は停滞気味と聞きます。旭化成を中心とする県北地区は活発に活動されているようであります。
 さて、都城地域には、それとは別に「霧島工業クラブ」という都城高専を核とした産学官連携強化を目指した中小企業集団があります。県工業倶楽部とほぼ同時期に組織され、今年で10年目を迎えます。特徴は、農林業、工業、食品製造業、建設業、サービス業といった異業種が混在しており、この地域の最大産業である農林業に工業が絡み協同体制を築き、その促進のため、都城高専の教官たちとの勉強会、講演等が開催されております。
 さらには、ユニークな下部組織に「三廻組」という36歳以下の従業員等でつくる交流組織もできています。このように、それぞれの立場で、産学官連携の取り組みが行われております。霧島工業クラブの活動に対する商工観光労働部長の評価をお伺いします。
 このような個々の活動に加え、宮崎県工業技術センターや宮崎県食品開発センター、農業試験場、木材利用技術センター、県立看護大や県内大学などの研究シーズ、あるいは、それぞれの県内企業との共同研究開発の成果を県内企業に橋渡しを担う、コーディネートセンター機能を持つ組織の構築が必要だと考えます。産学官だけではなく、県民をも含めた連携を深めることもたいへん重要であります。
 県の関わる県内の各大学等と企業との共同研究の実績件数、及び、その研究成果は県民にどのように還元されているのか、併せて商工観光労働部長にお伺いします。

(答)
霧島工業クラブの活動に対する評価についてであります。
1お話がありました、霧島工業クラブは、北諸県地域のみならず、西諸県、鹿児島県内の企業を含む約30会員で構成される、ハイテク異業種交流グループであります。
2同クラブは、都城工業高等専門学校を核とする地域に根ざした産学官の連携により、誘致企業と地場企業の技術交流、高付加価値技術・製品の開発等を目指しており、交流会や討論会の開催、また人材育成事業などの各種の事業に取り組まれているところであります。
3今後とも、同クラブの積極的な活動に大きく期待したいと存じます。

(答)
県の関わる産学官共同研究実績及びその研究成果等についてであります。
1県では、企業、大学等及び公設試験研究機関の研究者からなる研究会を設置し、環境、食品から電子に至るさまざまな分野に関する共同研究テーマに対して、研究開発費の支援を行っているところであり、平成9年度から14年度までに26件を採択・支援したところであります。
2主な研究成果といたしましては、半導体シリコンウエハの研磨剤の再利用技術を実用化した事例や、真空紫外光による精密洗浄装置等を開発する大学発ベンチャー企業の設立、焼酎蒸留残液の再利用技術の確立などが挙げられますが、このような成果は、県内企業の新分野進出や経営革新に大きく寄与しているところであります。

 次に、「起業家支援及びベンチャー企業の育成」について、お尋ねいたします。
 起業家支援については、本県の財団法人宮崎県産業支援財団などの産業支援機関を活用し、県内各地域において起業から事業化に至るまでの、技術,人材,資金の各方面からの支援を行う総合的なスキーム(枠組み)を整備していくことが必要だと考えます。
 また、ベンチャー企業に対して、たとえば岩手県では株式上場を目指した10億円を目標とするインキュベーションファンド(ベンチャービジネスを育てる資金のテコ入れ。間接投資では、財団が特定VCを通じて1億円を限度に投資を行う投資事業)を設け金融支援を行うなど、ベンチャー企業の育成に取り組まれているようであります。
 そこでお尋ねしますが、「起業家支援及びベンチャー企業の育成」についての本県の取り組み状況及び今後の計画について、商工観光労働部長の見解をお伺いします。

(答)
ベンチャー企業等の支援についてであります。
1独創的な技術やノウハウにより新商品開発等に取り組むベンチャー企業等の育成は、新産業の創出、ひいては新たな雇用の創出につながるものであり、大変重要な課題と考えております。
2このため、県では、計画段階から商品開発段階、事業化段階に至るまで、各種のメニューにより新規創業、新分野進出等を総合的かつ積極的に支援しており、今年度は、融資、補助金、ベンチャーキャピタルによる投資、共同研究など、17事業43億円を準備いたしました。また、創業やベンチャービジネスに関するセミナーを開催するなど、起業家意識の醸成、人材育成等にも努めているところであります。
3今後とも、これらの支援策の充実に努めるとともに、宮崎県産業支援財団を中心として、県内5か所に設置した地域中小企業支援センターを始めとする商工団体や大学等、関係機関との連携を一層深めながら、ベンチャー企業等の育成支援を推進してまいりたいと考えております。

 次に、「新たな県の木の制定」について、お尋ねいたします。
 このたび、新たな「県の木」を制定されるとのことであります。県の木はフェニックス、県の花はハマユウであります。前々から疑問を持っていましたが、この2つはどちらも日向灘・海岸線に主に生息する植物で、九州山地や霧島盆地には縁遠い花木ではないか。選定が偏っていないかと思うのであります。
 今回、新たな「県の木」の選定を行うに至った経緯について、林務部長にお伺いします。
 さて、その宮崎のシンボルであるフェニックスの木が危ないとのことであります。報道によりますと、昭和26年以来、50年あまりにわたって宮崎大宮高校を見守り続けた正門のフェニックスが、害虫の食害により伐採されたとのことであります。フェニックスはご承知のとおり、岩切章太郎氏が昭和初期に日南海岸に植えられて、南国宮崎の顔として一躍有名になったものであります。全国の往年の方々は、デュークエイセスの「フェニックスハネムーン」を懐かしく思い出されることでしょう。
 県庁ホームページにはこう説明されています。「アフリカのカナリー島が原産。病害虫に強く寿命が長いのでフェニックス(不死鳥)と名づけられたと言われています。 宮崎では大正の初め頃に、宮崎市の天神山公園に植えられたのが初めてです。」とありますが、残念ながらその不死鳥が害虫により次々と倒れてきています。
 フェニックスが植えてあるところは、道路、公園、学校など関係部署は全庁にわたりますし、また民有地にも植えてありますので、総合調整という意味で、林務部長に害虫食害対策の対応状況についてお尋ねします。

(答)
県の木の追加設定を行うに至った経緯についてであります。
1御案内のとおり、現在の「県の木」フェニックスは、昭和41年、県緑化推進委員会(現県緑化推進機構)により「県の木」に決定され、以来宮崎県のシンボルの一つとなっております。
2ところで、21世紀は環境の世紀と言われるように、地球環境保全など森林の果たす多面的な機能に対する国民の要請は、ますます高まってきております。
3このようなことから、先般開催された第55回全国植樹祭宮崎県実行委員会総会において、全国植樹祭の本県開催を契機として、緑化運動を県下全域で一層活発化させていくため、地球温暖化防止等の森林の価値の再評価や里地・里山の復権など、現在の社会情勢からみて本県の縁化運動の推進にふさわしい「県の木」を追加するとの決定がなされたものであります。
4もちろん、フェニックスは、県民に広く定着していることから「県の木」として残し、追加設定後は、いずれの木についても「県の木」として位置づけることとされております。
5なお、県の木の追加設定については、県民の意見を反映した手続のもとに、県緑化推進機構により来年2月中を目途に決定されることとなっております。

(答)
次に、フェニックスの被害対策についてであります。
1フェニックスへの害虫被害は、平成10年、日南海岸の「いるか岬」付近でヤシオオオサゾウムシによる食害が発見され、本年までに、沿道や学校等に植栽された約100本の被害が報告されています。
2このため、県におきましては、平成11年度から、国道220号を中心に、国、県、関係市町において公的機関が所有するフェ二ックス及び宮崎市加江田川から日南市油津の区間における民間所有のフェニックスについて防虫ネット、薬剤散布等の予防対策を講じてきたところであります。
3しかし、近年、この区域以外での被害発生が見られるようになり、県内全域を対象に総合的な対策を検討するため、平成13年度、県の関係各課による「フェ二ックス保全対策協議会」を設置し、被害発生時の連絡体制や被害木の処理、防除方法のマニュアル化、県民への周知など総合的に取り組んでいるところであります。
4今後とも、市町村など関係団体と連携を図りながら、保全対策により一層努めて参りたいと考えております。


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