www.mitsuyuki.com このページを閉じる
2006年2月定例議会

県議会議員の選挙区と定数の見直しについて  多数決で自民案に決定

 県議会では、昨年4月から1年間にわたり選挙区特例等特別委員会(副委員長は満行)を設置して今後の県議会議員の選挙区と定数の見直しについて議論してきました。結論から言えば、最初から自民党と社民・民主・公明各会派とおおきく意見の相違があり、最後は自民党案を多数決で押し切りました。
 委員会では、おおきく2つの問題が議論されました。
 一つは選挙区割りについてです。社民・民主・公明各会派は一人区を減らすために任意合区を行うべきと主張しましたが、自民は行うべきではないとする意見に終始しました。
 私は、「任意合区により、死に票が多い等の問題のある1人区を減らすことができる。また、複数人区になれば、いろいろな人が立候補でき、有権者にとっても選択肢が広がる」、「任意合区により選挙区を大きくすることで、一票の格差を縮小することができる」といった意見を主張しましたが、自民からは、現状の区割りでよいとの意見が出されました。採決の結果、今回は任意合区は行わないということを自民の賛成多数で決定しました。
 2つ目は総定数の見直しです。自民からは現在の45人を維持すべきとする意見に対し、社民・民主・公明各会派は削減すべきとする意見を主張し、大きく2つに分かれました。自民からは、「現在の定数は法定上限数48人から、すでに3人減らしており、全国的に見ても減らしている方である」といった意見や、「議員は1人でも多い方が、より多くの意見を県政に反映できる。定数削減ではなく、議員報酬の減額など、県議会
全体で負担する方法も考えるべきである」といった意見が出されました。
 私たちは、「極めて厳しい財政状況を背景に県では行財政改革に取り組み、また市町村議会においても議員定数を大きく減らしており、厳しい中で痛みを負っている。県議会としても同じ痛みを負うべきである」、「定数を削減すべきという県民の声があり、市町村議会議員からも削減すべきという声が届いている。このような中で定数を維持するというのは理解が得られない」との意見を主張しました。
 よって、人口比例を基本とし、地域間の均衡は都市部の選挙区の定数減のみによるべきであるとの3会派の統一案42人(人口比例定数から宮崎市は2人減の12人、都城市は1人減の6人)を示しました。しかし、自民の「総定数は現在の45人を維持する案」を、自民の委員だけで強行採決しました。(採決に入る際に、社民・民主・公明各会派は退席しました。)
 議員の選挙区と定数の見直しについては、過去10年間も抜本的な見直しはなされておらず、県議会の長年の課題でもありました。自民党には、数の力による強行採決ではなく県民の多くの意見に真摯に耳を傾けていただきたかったと思います。

 今回は会派を代表する質問ということもあり質問の持ち時間50分を使い果たすまで多岐にわたり質問を行いました。質問の冒頭に、今の日本の現状を次のように表現しました。
 「日本のGDPは500兆円。イギリス、フランス、ドイツの合計額に匹敵すると言われるが、それだけの豊かさの実感がありません。なぜなんでしょうか。姉歯耐震強度偽装事件、BSE、ライブドア事件など次から次ぎへと起こる大きな事件・事故に日本の将来は大丈夫かと言いたくなります。47都道府県の一般会計当初予算で対前年度比マイナスは36道府県になっています。一方で11都府県が増額または同額となっており、東京都は5.4%増、愛知県3.0%増、埼玉県2.8%増、大都市圏は軒並み増額予算です。まさに三位一体改革は、都市と地方のさらなる格差拡大、言い換えれば地方切り捨ての改革といわざるを得ません。小泉政権により地方切り捨て、地方格差がさらに広がり、市場原理の一言で大企業だけが生き残り、富むものと貧しいものとのさらなる格差の広がり、法令遵守しない企業が「勝ち組」となる日本。「金持ちこそが勝ち組」「勝つためには手段は選ばない」そんな日本の現状がホリエモン・東横インみたいなものをつくってしまっているのではないか。今の現状を、純真に将来を信じ必死でがんばっている子どもたちに申し訳なく思います。この子どもたちの将来のために真の政治が求められいます。」と、発言し質問に入っていきました。以下、質問の一部を紹介します。

【質問】
 近い将来に県内人口の半分は宮崎市が占めることになり、今後高校再編問題や消費動向、農林漁業の担い手対策など大きな問題が派生してくる。過疎化の進展と県央一極集中に対する知事の考えを。
【答弁】
 本県の人口が減少していく中で、人口の地域偏在が進むことは、県民生活の様々な面に大きな影響を与えていくものと認識している。特に、中山間地域においては、人口の減少に加え、高齢化の一層の進展など人口構造の変化により、地域活力の低下が懸念されている。一方でこれらの地域は、多彩な歴史・文化、豊かな自然などの「宮崎の宝」ともいうべき数多くの資源に恵まれており、自然環境や県土の保全といった大きな役割を果たしていくことが期待されている。本県が一体的に発展していくためには、それぞれの地域が知恵と資源を生かしながら、産業の振興による働く場の創出・確保を図るとともに、交流人口の拡大などに努めていくことが必要である。県として、各地域が取り組むこのような個性と魅力ある元気のいい地域づくりを積極的に支援して参りたい。

【質問】
 学習障害児支援について。今年度、LD(学習障害)、ADHD、高機能自閉症などに対応するために「特別支援教育室」設置され、都城養護小林校や高等部の設置など目に見える取り組みが感じられ大いに評価するところである。今後は広く保健・医療・福祉関係機関との有機的な連携が重要だろうと考えるが教育長の見解を。
【答弁】
 障害のある子どもの多様な教育的ニーズに対し、的確、適切な教育的支援を行うため には、関係機関が連携して、継続的に支援することが必要である。県教育委員会においては、教育、福祉、医療等の関係者で構成する「広域特別支援連携協議会」を設置し、支援体制の整備促進を行っている。また、全ての小・中学校において、学校内外の連絡・調整役を担う「特別支援教育コーディネーター」を指名し、日頃から地域の福祉関係機関等と連携を図っている。今後とも、引き続き連携強化に努めていきたい。

【質問】
 いよいよ、森林環境税条例が導入されるがこれは県民等しく森林の役割を見直すための啓発費だと考えている。これまでも環境や防災の観点からも森林の適正管理は重要であり、また森林の持つ役割をしっかり県民に啓発するための事業を実施すべきと申し上げてきたがその使途について伺いたい。
【答弁】
 森林環境税については、これまで寄せられた県民等の意見も踏まえて、「県民の理解 と参画」、「公益的機能の重視」という2つの視点からの新たな施策に取り組みたいと 考えている。平成18年度においては、「県民の理解と参画による森林づくり」として、県民の提案や企業の参加による森林づくり、森林ボランティア団体の育成や活動への支援、さらには、子どもたちの森林作業体験学習などの実践活動を推進するとともに、「公益的機能を重視した森林づくり」として、水源地等の上流にある長期間放置された森林を対象に、広葉樹の造林や針葉樹と広葉樹が混交した森林への誘導を図ることとしている。

【質問】
 麻しん予防接種の県費支援について。対象年齢外の接種の数年間だけでも無料化を残してほしいが財政支援はできないのか。これまでの行政や県医師会の努力が実り昨年1年間麻しん患者数ゼロを達成した県は全国で三重と宮崎だけと画期的な成果が現れている。
【答弁】
 麻しんの予防接種については、その根絶を図るため予防接種法施行令の改正が行われ、1回接種から、2回接種となり、対象年齢も変わることになった。このため、県としては、接種漏れ者については4月以降が任意の接種となることから、今年3月までに接種を完了するよう、予防接種事業の実施主体である市町村に対して要請しているところであり、また、4月以降においても、接種漏れ者がなくなるよう積極的な対応をお願いしていきたいと考えている。今後とも、接種率の調査等を通して有効性、安全性に関する啓発に努めていく。(注:質問後、国は接種率の低下をおそれ引き続き無料化する事に方針転換しました。めでたし)

【質問】
 本県農業における試験研究機関の機能強化についてどのように考えておられるか、本県農業における各種試験場をどのように位置づけておられるのか。
【答弁】
 国内外の産地間競争が激化する中、本県農業の競争力の強化を図るためには、多様な消費者ニーズに対応した品種の改良や、高品質・低コスト化等の生産技術が求められており、県総合農業試験場及び畜産試験場は、技術開発を通じて本県農業を先導する大変重要な役割を担っている。各試験場については、時代のニーズに対応した先端機器の計画的な導入をはじめ研究員の資質向上を図るため、国の研究機関等において先端技術を習得させているほか、産学公民連携による共同研究の推進、農業改良普及センターとの連携による現場密着型の試験研究を進めるなど、その機能を十分に発揮できるよう研究体制の整備に努めていく。

【質問】
 県警察本部に。地方でも空き巣や窃盗など多発してきた。警察と地域との連携が重要です。制服警官の露出を増やすことが体感治安の向上にもつながると考えるが。
【答弁】
 増加の一途をたどっていた県内の刑法犯認知件数は、平成15年以降、3年連続して減少し、検挙率も上昇するなど、指数的には、治安回復の兆しが見られるところである。県警としては、このような成果は、制服警察官の街頭活動と、防犯ボランティア団体、地域住民、及び自治体が一体となった自主的な防犯活動の成果ではないかと分析している。しかしながら、県警としては、治安の安定していた昭和初期に比べ、体感治安は、まだまだ厳しいと認識しており、今後とも、警察官の街頭活動を強化するとともに、地域住民や防犯ボランティア団体等に対する地域安全情報の提供や、合同パトロール、防犯教室の開催などの支援活動を強化して、県民の防犯意識の向上と体感治安の回復に努めていく。

【質問】
 契約のあり方について。昨年4月に情報政策課に任期付き職員を配置してIT契約の適正化を図られているが、その成果についておたずねしたい。
【答弁】
 平成17年4月から、IT調達の適正化とコストの削減を図るため、情報通信技術に精通した任期付き職員を採用し、各種の行政情報システムの執行や予算作成段階において、その内容や費用をチェックする「IT調達の標準化」の試行を開始した。これまでに80件を超えるシステムについて審査を行い、その結果、コスト面においては、平成17年度予算執行分について、約2億円の低減が図られている。また、平成18年度当初予算においても、査定の前段階でチェックを行い、約3億円の低減が図られたところである。大きな成果が上がっており今後、19年度の本運用に向け、これらの取り組みを定着させていきたい。

【訴えが実ったもの】
 今回の質問、新年度予算の審査を終えて今まで訴え続けていたことが実現したものがいくつか目に付きました。(1)県中央部に集中していた療育施設が、県西部にも療育センターとして設置されることになったこと(2)IT契約が、業界では「ITゼネコン」といわれるぐらい大手電機メーカの独占状態になっており、本県でも随意契約が大部分でした。この3年間、IT専門職員の採用を訴えていましたが今回、県に専門職員を採用したところ、この1年間で約5億円の経費が節減できました。(3)学校校舎の耐震化を急ぐべきと言い続けてきましたが、新年度予算で県立教育施設の97%の耐震診断が進みます。小中学校も急ぐべきです。今後耐震化強度の不足する校舎の改修工事も急ぐ必要があります。


www.mitsuyuki.com このページを閉じる