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2004年6月定例議会一般質問 2004年6月

エネルギーの地産地消について
公共事業の取り組みについて
学校の耐震化工事について
都城地区の医療体制の充実について
研究環境の整備について

●エネルギーの地産地消について
 まず、企業局の今後の新たな展開についてお尋ねいたします。
 電力自由化の急激な進展により、企業局の電力買電収入が今後大きく減少することが予想されます。
 今後の企業局のあり方については、これまでにも、いろいろと議論されていますが、企業局は発足(買電開始)から今日に至るまでの間、多目的ダムの管理費の半分近くを負担するなど県財政に大きく貢献し、また、多くの自治体に対し、低利で資金を貸し付けるなど、県民に還元してきたその経済効果は計り知れないものがあると思います。
 私が不満なのは、これだけの実績を上げているにもかかわらず、あまり県民に対してPRしていないのではないかということであります。県民との距離を近づけるためにももっと、企業局自身のPRに努めても良いのではないかと考えます。企業局長の見解をお伺いいたします。
 水力発電は、自然エネルギー、再生可能エネルギーの最たるものです。地球温暖化が大きな問題となっている今日、より一層の省エネ、自然エネルギーの普及啓発が求められています。
 環境省の発表によれば、温室効果ガスの国内総排出量は年々増加しており、現状では京都議定書の目標達成は不可能とのことです。
元々、企業局は公営企業体として、また、土木や電気・機械技術者たちの専門集団として、宮崎ならではの地形や気候にあった電源開発を進めてきており、治水、農業用水、工業用水、発電と多目的な役割を担っているのです。
 そこで、知事部局との連携により、県民に対する新エネルギーや省エネの普及啓発や講演会の開催、それらの相談窓口の設置、また、職員による太陽光や風力を利用した発電の仕組みや再生可能エネルギー利用促進の意義等の学校への出前授業などは考えられないか、また、市町村の新たな環境に優しい電源開発を進める場合に企業局の持っているノウハウを市町村に提供し支援を行うなど企業局が県・市町村とタイアップしながら新エネルギーや小水力発電などの共同研究をするべきではないかと考えます。企業局長にお伺いいたします。

新エネルギービジョンについてであります。
私はこれまでも、公共団体の新築される建物の屋上や広大な敷地に位置する総合運動公園にも太陽光パネルを、設置してはどうかと申し上げてきました。これらは電気を生むわけですから光熱費等の経費節減となり投資額は戻ってきます。また県庁本館の屋上にシンボル的に太陽光パネルを設置し広く県民に普及啓発を行ってはどうかと考えています。県内の多くの園児や小学生が県庁を訪問しています。その子供たちに太陽の恵みによって発電できるシステムを見せることは非常に大切ではないか。自然エネルギーの啓発効果は大きいと考えますがいかがでしょうか。(宮崎は太陽と緑の国)
 本年3月に策定された「宮崎県新エネルギービジョン」は地球温暖化防止、再生可能エネルギー、木質・畜糞バイオマス、天然ガス、小水力発電など本県の新エネルギー資源をトータル的に利活用するための基本方針や具体的な取り組み等を明らかにした計画書として高く評価します。今後実効ある施策の展開が期待されます。この新エネルギービジョンによりますと導入重点分野の推進策(P79)に平成18年までの推進プラン工程表があります。このビジョンが目指す3年後の成果について生活福祉部長にお聞きします。

 次に天然ガスを活用した地域活性化プロジェクトについてであります。
 宮崎平野は全国でも有数の天然ガス資源の宝庫です。また、本県には多くの温泉が掘られていますが、お湯と一緒に大量の天然ガスも地下から噴出しています。しかし、そのガスは利用されずに空気中に放出されているだけです。
 また、一口に「天然ガス」と言っていますが、その成分のほとんどはメタンガスです。驚くことに、このメタンは二酸化炭素(CO2)の10倍から20倍もの影響を地球温暖化に与えるとのことであり、放出するより燃やした方が温暖化防止になるのです。 現在、天然ガス利用に対しては、法規制等の高いハードルがあります。
 本県では「天然ガス利用促進特区」の提案を行っており、そのうち、法の規制も緩和され、比較的簡単に利用できる日がやってくると思います。
 新エネルギービジョンでは、「天然ガスコージェネレーション」という項目で導入の可能性について検討されています。結論は、「新潟県や千葉県で実施されているようなパイプラインを整備しての大がかりな利用形態は考えられない」と一刀両断です。しかし、あえて、私は企業局を中心にした産学官連携による天然ガス活用地域活性化プロジェクトを進めるべきであると提案します。うまくいけば、企業局の新たな経営上の柱となり得ると思います。
 宮崎市周辺では天然ガスが地表から湧出しており、地域によっては古くから自家用燃料として利用されています。昭和30年代、地質分析やガス成分など多くの試掘をされましたが、採算性に乏しいとの結論に達し、企業化を断念されたという経緯もあるようではあります。
 しかしながら、天然ガスは宮崎市・佐土原町といった大消費地の中に分布しており、都市ガスの原料としてはもちろん、副産物としてヨウ素も採取することができ、今後、採算性も有望と考えられます。
 また、当地域はビニールハウス園芸の多い地域でもあります。燃料を重油から天然ガスへ転換することは、より環境に優しい利用法であると考えます。
 民間企業ベースで見れば、まだまだ、東南アジアからの天然ガス輸入のほうが採算性に合うのかもしれません。しかし、地球温暖化防止、エネルギーの地産地消・地域活性化など大きな視点も含め、ぜひ事業化していただきたいものです。事業化への目途がついた段階で流通や小売り部門は企業局から民間企業に引き継ぐ。公営企業としての利点を活かし、まずは天然ガス採取プラント、実証実験の実施について、企業局が核となり県内企業・大学等と共同で行ってはどうかと考えます。天然ガス利用促進特区の考えを含め知事に、また企業局長の見解をお伺いします。
 企業局の新たな展開、また新エネルギービジョンの確実な実行を行っていけば、エネルギー分野においても地産地消が推進され、本県の新たな魅力となり大きな効果が期待できると確信しています。前向きな答弁をお願いします。

  ●公共事業の取り組みについて
 昨年、財政改革推進計画が策定され、本年度からの3年間で、県単独公共事業費については初年度は20%削減(2〜3年目は30%削減)、補助公共事業費については毎年度10%が削減されることになりました。昨年度当初予算で約338億円だった県単独事業費は約68億円減額となり、本年度は約270億円であります。
 第一義的に県財政の健全化を図ることは大変重要であることは認識しております。しかしながら、当然やらなければならない事業もあります。今の財政状況の中では事業の取捨選択が大変重要です。無駄を省くことも行政のたいへん重要な仕事だと思います。しかしここで、真に必要な事業を削るようなことがあればたいへんです。必要なものと不要なもの、急ぐものとそうでないものを見極める目が重要です。
 このような中、東九州自動車道の整備に見通しが立ったことは本県にとってはたいへん喜ばしいことでありますが、県道の整備についてはいかがでしょうか。先ほども述べましたとおり、公共事業費は大幅に削減されますが、今後の事業の見通しはいかがでしょうか。公共事業の優先順位はどのような基準で付けられるのでしょうか。本年度当初予算の中で、土木部における公共事業の優先順位はどのように付けたのか。その基準をお示しいただきたい。
 また、公共3部で8月から経常JVに限定した指名競争入札の試行を実施するとのことであります。全国的にも例がないといわれる。県内企業の受注率の向上、受注機会の拡大を期待したいと思います。その期待される効果についてお聞きします。

 私の地元都城で懸案となっている道路があります。主要地方道御池都城線であります。市街地を走るたいへん重要な道路でありながら、国道10号線を起点として岩脇橋交差点までの約400mの区間はたいへん狭い上、歩道もなく、車の離合にも苦慮する状況であります。昨年6月議会におきまして、萩原議員の質問に対し、「市街地の活性化を図る観点から、土地区画整理などを視野に入れて取り組むことが望ましいと考え、都城市と協議をしてきている。」と、土木部長が答弁されております。その後の経過はいかがでしょうか。何とか早急に対策いただきたいと思います。岩脇橋北交差点から国道10号線までの御池都城線について、今後、どう取り組んでいくのか。

 また、昨年の2月議会の質問でも取り上げましたが、都城インターチェンジと志布志港を結ぶ地域高規格道路都城志布志道路につきましては、国の事業区間である約8キロは、平成11年度から国道10号都城道路として事業着手され、県施行区間の約3キロにつきましては、13年度から事業着手されております。この道路は、県南地域の物流や救急医療等を支援する大変重要な道路であり、御池都城線と同様、早急に整備を図る必要があると考えます。都城志布志道路の国の直轄事業区間である乙房町〜五十町間、及び県の事業区間である五十町〜梅北町区間の進捗状況及び今後の事業見通しについて。
 以上、4点につきまして土木部長にお尋ねいたします。

●学校の耐震化工事について
 次に学校の耐震化工事についてお尋ねいたします。これも公共事業です。
 県内の小、中学校など教育施設の校舎の六割以上に耐震構造上問題があることが、県と内閣府の調査で分かりました。特に、建築基準法が改正された昭和56年以前に造られた校舎の92%で問題が指摘され、厳しい財政事情を抱えた自治体が耐震化工事に二の足を踏む実態が浮き彫りになっております。
 内閣府が防災上重要な施設として、各都道府県の教育施設や社会福祉施設、医療機関など7種類の施設の耐震構造を一昨年から一年間、調査されました。
 旧消防防災課によると、県内の小、中学校、高校など調査対象校舎は620施設、2099棟、うち問題がなかったのは772棟で、耐震化率は36・8%でありました。
 震度6強の地震を想定し、建築物の構造基準が強化された建築基準法改正以前の校舎は特に問題が多く、1,441棟のうち114棟しか補強されておりません。約8%。
 同法改正以前の学校体育館にいたっては、325棟の.うち9棟しか耐震化されておらず、3%弱に過ぎません。このように校舎の多くが補強工事を受けていない不適格建築物だったようです。
どの市町村も財政難のおりではありますが、多くの学校が地域の避難場所に指定されています。早急な改善が求められますが、財政健全化計画との関係はどうなっているのか知事の見解をお伺いいたします。また、教育長に現状と課題も併せお伺いいたします。

●都城地区の医療体制の充実について
 次に都城地区の医療体制の充実についてお尋ねいたします。
 都城地区の地域医療については、これまで、当市郡医師会病院が一次医療、二次医療など、当地域の中心的役割を担っていただいている訳ですが、都城市郡医師会の役員と都北県議団の意見交換を行った際、県に対する要望として、高次救急医療の充実や周産期医療センター設置について、県の支援をお願いしたいとのお話がありました。
 宮崎県保健医療計画によれば 医師数は人口10万人当たり当圏域は177.2人、全県平均208.5人より少なくなっています。小児科専門医は当圏域人口10万人当たり9.7人、全県平均9.8人。決して当地域が医師数が多いわけではありません。それでも、地域の医師会はしっかりと市町村とスクラムを組んで、地域医療・救急医療に取り組んでおられるわけです。
県の方針として、県内の均等な支援という観点からも、熱心に取り組んでいる地域こそ、手厚く支援するべきではないかと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。

 次に、福祉保健部長にお尋ねいたします。
まず1点目は、新型救命救急センターについてであります。
 都城市郡医師会は、新型救命救急センター設置を目指しています。(以前にも質問いたしましたが、)当圏域の重篤患者は国立都城病院と市郡医師会病院に集中する傾向にあり、その収容能力を大きく超えており恒常的に満床状態にあります。
 当医師会は、生命危機を伴う重篤患者を高度先進医療施設で、専門医を備え24時間体制で受け入れることにより地域住民の生命を守りたいと言っておられます。
 高次救急医療を提供するためには常勤医及び高額な医療設備が必要になり、多額の費用も要し、また運営上も不採算となります。都城地区の自治体と市郡医師会の負担では運営は困難であります。
 2点目として、周産期医療センターについてであります。
 現在、都城圏域内では、周産期医療に対する医療機関は国立都城病院だけであり、地域住民からは周産期医療体制のなお一層の充実を図るためにも周産期医療センターを整備して欲しいとの要望が出ています。
 診療体制の整備された分娩環境や未熟児に対する最善の対応など、充実した周産期医療に対する需要の増加に応えるため、地域において妊婦、出産から新生児に至る高度専門的な医療を効果的に提供する総合的な周産期医療体制を整備することが急務であります。
 市郡医師会では、周産期医療センターを医師会病院に併設し、子供が健やかに産まれ育つ社会の実現に向けて努力するとしています。
 3点目は、共同利用の療養型病床についてであります。
 既存開業医の有床から無床への転換と新規開業医の無床が増えてきています。このまま推移した場合、開業医の高齢化並びに有床での医療経営の先行きの不透明さから益々無床転換へ拍車がかかり、今後長期療養患者が増加した場合、収容施設不足が生じることが予想されます。市郡医師会では、医師会病院に併設して共同利用型の療養施設を建設して開業医が交代で診療にあたるような方式の検討を行っています。
 以上3点についての県の支援、とりわけ財政的支援の考え方について福祉保健部長の見解を求めます。

●研究環境の整備について
 財政事情の厳しい折、研究予算についてもその縮小を余儀なくされていることから、研究のさらなる活性化のために、外部研究資金、特に競争的研究資金の導入が不可欠であると考えます。しかし、本県では体制が整っていないことから外部資金の導入が難しい面があると聞きます。全国的にみて研究環境先進県となるために改革の検討に入る時期と考えます。
 まず検討項目の1点目として研究予算を補正予算でしか対応できない点があります。
 新年度4月から使える100%補助率の外部資金であっても、県議会で補正予算の承認を必要とするために、現状では予算執行が9月以降になってしまいます。単年度〜3年度程度の短期間の事業ではこの半年は大きなハンディキャップとなるとの指摘があります。 ただ、提案課題が採択されるかどうかわからない状況では、前年度から予算化しておくのは不可能でありますが、しかし、大学はもとより、他府県の研究機関の中には新年度4月から使えるところがあると聞いています。それらの機関と競合し、また提案課題の内容に大差がない場合、外部資金を提供する側は「より有効に」その資金を活用してくれる方を選ぶ傾向にあるとのことです。研究費の予算確保に更なる工夫が必要ではないのでしょうか。 

 つぎに期限付き研究員の活用についてであります。
 最近では、競争的研究資金で期限付き研究員(いわゆるポスドク)を雇えるものが多くあります。外部資金の活用により人件費の負担が軽く優秀な研究員を雇えるメリットは大きいと考えますが、本県では期限付き研究員を活用できる制度はあるのでしょうか。
 産業支援財団などが雇って研究機関に配属することは現在でも可能でありますが、民間研究機関より県の研究所勤務の経歴の方が大学等に就職する際に有利だと思います。直接任用すれば本県にもっと優秀な人材を集めらるのではないでしょうか。最近では大学の助手も含めて期限付きであることが多いため、「期限付き」に抵抗感を持つ研究者はほとんどいないとのことです。積極的に期限付き研究員の活用を行うべきではないのでしょうか。
 以上2点について、研究機関を所管する部署は複数ありますが、ここでは商工観光労働部長と環境森林部長に現状と課題を含め答弁をお願いします。


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