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2003年6月定例議会一般質問 2003年6月12日 概要版

6期24年間の総括

(問)
松形知事は、この24年間マスコミ受けするような政治的パフォーマンスはあまりなかったと思うが、総括的には、「松形県政は派手なパフォーマンスはなく不十分な点はあるものの、厳しい財政事情の中で本県発展に向けての基盤整備の充実を図るなど県政は着実に推進された」と考えている。6期24年間の県政運営を知事はどのように評価しているのか。

(答)知事 
 「対話と協調」を基本とし、県政の発展と県民福祉の向上のため、1期1期を大事にしながら、県政運営を行ってきた。その結果、諸産業の振興や、それを支える陸・海・空の総合交通網の整備など、県勢発展の基盤が、24年前と比べて、目に見えて充実しており、「20世紀から21世紀への橋渡し」の役目が果たせたのではないかと考えている。

感染症対策
(問)
重症急性呼吸器症候群について、たとえば港に入港した外国船乗員が発熱を訴えた場合の対応はどうなるのか。

(答)福祉保健部長
 港に入港した外国乗船員が発熱を訴えた場合は、国の機関である検疫所による臨船検疫が行われる。新型肺炎の伝播地域から入港したかどうか確認を行い、発熱等の症状が合致すれば「疑い例」と判断されることになる。この場合、地元保健所と連携して最寄りの指定医療機関を受診することとなる。

(問)
消防の救急搬送について、感染症法は患者の移送は都道府県が行うと定めてあるが、救急搬送の要請の段階では患者かどうかわからないため救急車の出動となっているようである。そうなると救急隊員は大きな危険が伴うことになる。本県ではこのようなことはあり得ないのか。また消防救急隊への研修等の実施状況はどうか。

(答)生活環境部長
 結果的に、SARSの疑いのある患者等を、救急車で搬送することは考えられるため、SARSの可能性を念頭においた、手洗いや、手袋・マスク・ゴーグル・ガウンの着用等、感染症患者の搬送に関する「標準予防策」の徹底を、消防本部に対して指導しており、また、医師等関係職員を対象にした講習会に、救急隊員も参加するなど、SARSに適切に対応できるよう努めている。

(問)
県民への情報提供について、可能性例は強制入院も可能で、厚労省は症状のほか(1)報告のあった都道府県名(2)患者の国籍(3)性別(4)年齢層(5)渡航歴−を公表するとしている。本県の対応指針(マニュアル)には 、公表の定めがないが、公表するのか、しないのか、国と同時に公表するのか、また公表するとした場合、国の基準以上の公表はあるのか。

(答)福祉保健部長
 公表内容は、性別、年代(10歳刻み)、国籍、渡航地域、症状及び接触者の状況等国に準じたものとしており、感染拡大が懸念されるときは、その時点で国と十分な連携をとって必要な情報提供を行う。

(問)
昔は不治の病といわれた結核などいわれなき差別が生まれたことは記憶に新しい。新たな差別を生むことになれば大きな問題である。公表する前に新たな感染者が発生した場合、「公表しなかったから対応が遅れた」と非難される可能性も充分あり得る。解明された段階に応じて変更していくべきではないか。人権に十分配慮したなかでの情報公開が必要だと考えるがどうか。

(答)福祉保健部長
 情報公開にあたっては、いわれのない偏見差別が生じないように人権に十分配慮し、無用の混乱を避け、不必要な不信・不安をまねかないよう適時・的確な情報分間に努めていきたい。

(問)
また、SARSの影響で、海外からの観光客が減少しているようだが、観光宮崎に与える影響は。

(答)商工観光労働部長
 一部の施設において、台湾や香港などからの宿泊予約がキャンセルされたり、新規予約が入らないとのことがあった。6月下旬から8月下旬にかけて計画されていた台湾からのチャーター便、26便についても中止となるなど観光関連業界にいろいろな影響が出てきている。

(問)
動物由来感染症対策について、県内にも輸入されたハクビシンはいると思われるが、その実態及び対策は。

(答)福祉保健部長
 県内のペットショップ等を調査した結果、1件の取扱いがあった。このハクビシンはペットショップが2年前に購入し、1年前に販売したもので、6月から輸入が規制された中国産ではない。飼育者に対しては、管轄保健所を通じ、汚物の適正処理、手洗いの励行等、動物由来感染症の注意事項に対する指導を行った。

(問)
本県の動物由来感染症の現状と対策は。

(答)福祉保健部長
 平成14年次に発生した本県の動物由来感染症患者数は、腸管出血性大腸菌感染症、ツツガムシ病等71名であった。動物由来感染症の予防対策としては、各保健所が、本年3月から4月にかけて、動物取扱業者に対する衛生管理指導を実施した。

(問)
麻しん集団接種について、本年3月に、都城北諸地区で麻しん(はしか)の集団発生が起こったため、県が同地域の市町村に小中学生を対象に「定期外」予防接種を実施するよう再三にわたり強い指導を行った結果、市町村は学校を会場に実施を決めた。
 麻しんの流行を止めるため、医療設備のない小・中学校で予防接種を実施することは副作用や医療事故が発生した際の問題など大きな危険性を伴う。
 このような現状に対し、医療法上の問題はないのか。また定期外実施を指導助言している県の考え方、また実施に伴う県の責任の範疇は。

(答)福祉保健部長
 学校を会場として行う予防接種においては、医療法上、往診による取扱となっている。今回の定期外予防接種については、麻しんが極めて感染力の強い疾病であること、麻しんの予防法は唯一予防接種のみであることなどから、集団感染を阻止する手段として効果のあるものと判断している。また、市町村が実施主体であることから、県としては、技術的な支援及び助言が責務であると考えている。

(問)
そもそも、学校で麻しんが集団発生すること自体が問題である。子どもたちが予防接種を受けていれば確実に発生は防ぐことができる。今回の集団発生は今年1月に、ある学校から始まったようである。その事実を保健所が把握したのは3月になってからと聞いたが、もっと早く保健所が把握していれば事態は違っていたはずである。それぞれ緊密な連絡体制の再確認が必要だと思うが、福祉保健部長及び教育長の見解は。

(答)福祉保健部長
 麻しんは、感染症法により発生動向調査の対象疾患となっており、流行の把握を行っているところであるが、学校など集団生活をする場で流行することから、学校感染症を所管する教育委員会と連携し、集団発生の早期発見と早期対応に努めていきたい。
 なお、麻しん予防の基本的対策は、高い予防接種率の確保であるので、県としては、現在、関係機関と連携して“はしかゼロ作戦”に取り組んでいる。

(答)教育長
 麻しんなどの学校伝染病が発生した場合には、小・中学校においては市町村教育委員会へ、県立学校においては、県教育委員会へ報告するようになっている。
 さらに、市町村教育委員会は地域の保健所へ、県教育委員会は福祉保健部へ報告することになっている。今回の、小・中学校における集団発生に際しては、地域保健所等との連絡が不十分であったことを反省し、市町村教育委員会並びに学校に対して、児童生徒の健康観察や、保健指導の在り方などを含め、強く指導を行ったところである。

(問)
結核は、40歳代以上特に高齢者に患者が多い。学童のツベルクリン反応検査・BCGは廃止され、廃止後の結核発生予防策は年に一回の住民検診の強化と医療機関での早期発見に重点を置くとなっている。
 しかしながら、ハイリスク者ほど検診を受けないのが現状である。本県でも年間300人位の人が感染している。結核予防法改正後の本県の結核予防対策についての課題は。

(答)福祉保健部長
 法改正後の課題としては、4歳未満の早期での予防接種の徹底、高齢者など結核を発病しやすいハイリスク・グループの健康診断の徹底及び集団感染に対する的確な対応であると考えている。

(問)
性感染症「クラミジア」対策についてあるが、性器クラミジア感染症がここ数年、急増している。性行為によって感染する性感染症の中で最も多く、全体の46%を占めるようである。
 宮崎医大の今井講師が県内学生1万2000人を対象に世界最大の実態調査を行った。中間集計では県内学生のうち男性の7.0%、女性が9.1%が陽性とのデータが明らかになっている。10人に1人はクラミジア感染者であるという驚くべき数字である。本県の現状と今後の取り組みは。

(答)福祉保健部長
 県としては、学校と連携して保健所保健師等による性教育や高校生を対象とした同じ悩みを持つ者によるビアカウンセリング等に取り組んでいる。今後とも教育委員会と連携して、性感染症に関する正しい知識の普及に取り組んでいきたい。

(答)教育長
 学校においては、文部科学省が作成した、「性感染症に関する指導マニュアル」や、パンフレット等をもとに、生徒に対して、啓発活動を行っている。また、産婦人科医の協力を得ながら、具体的かつ実践的な指導にも努めているところである。

交通安全対策
(問)
年々、交通量は増え、道路改良も進み、信号機設置については、地域住民から多くの要望があると思うが、(1)昨年1年間の要望件数及び設置件数。(2)限られた予算の中で、どのように優先順位を付けているのか。(3)市町村との連携について。(4)大型店開設など大きな変化があった場合の優先順位の付け方は。

(答)警察本部長
 平成14年度の信号機設置要望数は、約310件で設置基数は106基となっている。
 信号機の設置順位については、交通事故の発生状況、交通量等を総合的に判断しながら、順次設置している。設置にあたっては、市町村等の道路管理者とも事前協議するとともに、地域住民の声をできるだけ反映させることにも配慮している。
 また、大型店舗が進出し、交通渋滞を引き起こす事態が予想される場合には、進出計画に合わせ道路管理者や事業者側に対して、計画段階から交通管理上の意見を申し入れしている。

(問)
スクールゾーンの指導について、朝の通学時間に交通安全の旗持ちをしていると、その時間帯にスクールゾーンを無視をして子どもたちの隊列の横を走り抜ける車の多いが、警察と学校・PTAとの連絡調整の更なる緊密化が必要ではないかと感じているが見解は。

(答)警察本部長
 ご指摘のとおり、交通規制を無視して通行する車両が見受けられるところであるので、さらに学校やPTA等関係機関・団体との連携を緊密にして交通規制の周知徹底等に努めるとともに警察官をはじめ交通安全指導員を重点的に配置するなど、児童の保護を図っていく。

(問)
ライト点灯運動について、10月頃から薄暮時の「早めのライト点灯」運動が実施されている。事業者や行政など昼間も点灯運動を実施しているようであるが、県民に広がりが見られない。県民運動となるような啓発活動の展開はできないのか。

(答)生活環境部長
 県としては、宮崎県交通安全対策本部を中心に各季節の交通安全運動等を通じて、降雨特等のライト点灯を含め、県民の交通安全意識の高揚が図られるよう啓発活動に取り組んでいきたい。

株式会社の農地取得
(問)
株式会社の農地取得について、今年の4月から特区内に限って株式会社の農業参入が認められた。株式会社一般の農業参入は農業の担い手政策の基本を変えることになり、農村現場の農政に対する信頼が揺らぐことは必至の状況であるが、(1)家族農業を基本とする耕作者主義の否定につながらないか。(2)水管理など集落機能の弱体化につながらないか。(3)事業撤退となれば農地荒廃の恐れはないか。(4)農外資本による経営支配の恐れはないか。(5)農地の投機的取得がなされないか。以上に関する県の見解は。

(答)農政水産部長
 県としては、地域農業の持続的発展を図る上で、農業経営の基盤である農地は、維持管理の面からも地域に根ざした農業者が安定的に所有すること、さらには、今後とも、認定農業者等の担い手を中心とする農地の効率的利用が可能な体制を維持することが、必要であると考えている。


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