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2003年6月定例議会一般質問 2003年6月12日 概要版

知事6期24年間の総括について
感染症対策について
  重症急性呼吸器症候群
  動物由来感染症
  麻しん集団接種
  結核予防
  性感染症「クラミジア」
交通安全対策について
  信号機の設置
  スクールゾーン指導のあり方
  ライト点灯県民運動
株式会社の農地取得について

 まず初めに、知事の6期24年間の評価についてであります。
 知事は、今定例会が最後の議会となります。長い間本当にご苦労さまでした。私ども社民党は4期目から松形知事を推薦し、是は是、非は非としての松形県政に対応してまいりました。6期24年の松形県政に正しい評価と批判が行われなければなりません。
私たち社民党は、宮崎県のトップとして知事に求められることは、(1)時代の先を読み取る先見性とリーダーシップ、(2)県民の県政参加への意欲を促す徹底した情報の公開、(3)国に対してしっかりと対峙していく姿勢等ではないかと思います。
 松形知事は、この24年間マスコミ受けするような政治的パフォーマンスはあまりなかったと思いますが、国土保全奨励制度を提唱し、中山間地問題の前進、最近の三位一体改革問題等など積極的に動いていただきました。しかしこれらの問題を除いては、ほぼ国の方針を追認してきたとの指摘は免れないのではないでしょうか。国土の均衡ある発展との観点からも、もっと積極的に国に対して地方の意見を発信されても良かったと思います。一方、県内においては、厳しい財政状況の中で延岡・日南病院の同時改築、農林道や高速道路整備等の基盤整備を図り、また親しみのある松形スマイルと気配りで難病団体や労働団体との対話を定期的に積極的に進められたことなどを私どもは率直に評価いたしたいと思います。
 しかし、松形県政は何と言ってもシーガイア問題への評価を抜きにしては語られません。シーガイアはバブル経済絶頂期にスタートしたリゾート法に端を発しました。観光宮崎の再興を図ろうと、昭和63年4月に企画調整部内にリゾート推進局が設置され取り組みが強化される中で、「宮崎・日南海岸リゾート構想」が同年7月にリゾート法の第一号の指定を受け、官民を挙げてその推進が図られてまいりました。平成5年にオーシャンドーム等の第一期施設開業、平成6年に第2期施設が開業し全面オープンしたのであります。しかし、利用者数は平成7年の380万人をピークに減少し、平成10年には累積赤字1000億円を超す中で第一勧銀の融資ストップ、基金の投入、会社更生法の適用、リップルウッドによる再建となっていったのであります。このように、結果的に知事はシーガイアの立地推進、再建の指揮をとられたわけであります。スタート時点での見通しの甘さは、シーガイア構想に結果的に賛成してきた我々も含めて厳しく指摘されなくてはなりませんが、再建については大きな犠牲を払いながらも何とか的確な処理がなされたのではないでしょうか。時のバブルに踊らされた感は否めませんが、他のリゾート法指定施設が、また多くのテーマパークが破綻する中で、シーガイアを残したことにより、サミット外相会合やまた自治労大会や全国ボランティア大会など日本最大のコンベンションの誘致にも成功しましたし、国際自由労連国際大会の誘致も決定しています。60億円のリゾート振興基金については、シーガイアが本県観光のシンボルとなっていることや1600名を超える雇用の確保、仕入先等の連鎖倒産の防止、事業の一体的継続の点等を考慮し、その時点ではやむを得なかった選択として私どもも賛成したのであります。
 しかしながら、結果として推進してきた第3セクターフェニックスリゾートの解消などの結末を考えれば県民に対して明快な説明・率直なお詫び等のけじめが必要ではなかったのではないかとも思うのであります。
 るる申し上げましたが総括的には、「松形県政は派手なパフォーマンスはなく不十分な点はあるものの、厳しい財政事情の中で本県発展に向けての基盤整備の充実を図るなど県政は着実に推進された」と言えるのではないでしょうか。
 宮崎市出身ではない私から付言するならば、知事の大きな公約であった「県土の均衡ある発展」に関しては、公共施設が宮崎市に一極集中している現状から考えても、この点に関する是正は充分ではなかったのではないかと感じております。
 そこで、6期24年間の県政運営を知事はどのように評価しておられるのでしょうか。お尋ねいたします。

(答)知事 
6期24年間の評価についてであります。
私は、昭和54年の知事就任以来、「対話と協調」を基本とし、県政の発展と県民福祉の向上のため、1期1期を大事にしながら、県政運営を行ってまいりました。
また、私の県政運営の目標は、一貫して変わりなく、「親・子・孫三世代が、お互い県内に住んで家族の温もりを感じながら、豊かに暮らせる宮崎づくり」であり、その実現を目指して、就任以来、「県民の皆様との共同作業」により、全力で取り組んでまいりました。その結果、諸産業の振興や、それを支える陸・海・空の総合交通網の整備、医療・福祉、教育・文化の充実など、県勢発展の基盤が、24年前と比べて、目に見えて充実しており、「20世紀から21世紀への橋渡し」の役目が果たせたのではないかと考えております。これも、県議会の皆様をはじめ、県民の皆様の御理解と御協力の賜であり、改めて深く感謝申し上げます。

 次に、感染症対策についてお尋ねします。
 1999年施行の感染症法は、それまでの集団防衛から個人防衛へと大きく変わりました。社会防衛を柱にした旧伝染病予防法に対し、患者の人権尊重と迅速・的確な危機管理の両立を目指しています。一見相反することを両立させる事に悩ましさを感じますが、国内でも多くの種類の感染症(伝染病)は発生しています。主な種類を述べると昨年1年間に国内でコレラは51人、赤痢は約700人、腸チフス62人、パラチフス33人、日本脳炎8人などです。それに加えて年々新たな感染症が増えてきており、対策の強化が重要となってきていますので、以下5項目について関係部長の答弁を求めます。

 まず、重症急性呼吸器症候群についてであります。
 新型肺炎SARSは、昨年11月に中国広東省で最初の患者が出たとされています。本当に新しい感染症です。それがあっという間に世界中に広がり、未知な部分が多いせいもあり、世界中がパニックに陥りました。
 SARS発生時の対処マニュアルは本県でも国の基準に準じて作成整備されていますし、発生時を想定した訓練の模様も報道されています。しかし、その詳細は私達県民には不明な点も多く発生時の不安もありますので、その対応について福祉保健部長にお尋ねします。
 たとえば(細島)港に入港した外国船乗員が発熱を訴えた場合の対応はどうなるのでしょうか。その流れを簡潔に教えてください。

(答)福祉保健部長
お答えいたします。感染症対策に関する一連の御質問であります。
まず、SARSいわゆる新型肺炎に関する御質問であります。港に入港した外国乗船員が発熱を訴えた場合の対応についてでありますが、国の機関である検疫所による臨船検疫が行われます。新型肺炎の伝播地域から入港したかどうか確認を行い、発熱等の症状が合致すれば「疑い例」と判断されることになります。
この場合、地元保健所と連携して最寄りの指定医療機関を受診することとなります。

 次に、消防の救急搬送についてであります。東京消防庁はこの2ヶ月で「新型肺炎ではないのか」という救急搬送の要請を受け出動回数40回に上ったとのことであります。感染症法は患者の移送は都道府県が行うと定めてありますが、救急搬送の要請の段階では患者かどうかわからないため救急車の出動となっているといわれています。そうなると救急隊員は大きな危険が伴うことになります。本県ではこのようなことはあり得ないのか。また消防救急隊への研修等の実施状況について生活環境部長にお尋ねします。

(答)福祉保健部長
お答えいたします。SARSに関する救急搬送等についてであります。
本県では、SARSの疑いという要請で、救急車が出動した事例はなく、SARSに関する患者の移送につきましては、SARS対応指針「宮崎県アクションプラン」に基づき、県が行うことどなっております。
なお、結果的に、SARSの疑いのある患者等を、救急車で搬送することは考えられるため、SARSの可能性を念頭においた、手洗いや、手袋・マスク・ゴーグル・ガウンの着用等、感染症患者の搬送に関する「標準予防策」の徹底を、消防本部に対して指導しております。
また、医師等関係職員を対象にした講習会に、救急隊員も参加するなど、SARSに適切に対応できるよう努めているところでありますc

 次に県民への情報提供についてであります。
 厚労省は、流行地域から帰国後十日以内に発熱などの症状が出た患者を「疑い例」、さらに肺炎症状があって、より感染の疑いが強い患者を「可能性例」として都道府県に報告を求めています。
 可能性例は強制入院も可能で、同省は症状のほか(1)報告のあった都道府県名(2)患者の国籍(3)性別(4)年齢層(5)渡航歴−を公表するとしています。
 共同通信社のアンケート結果によりますと可能性例が出た場合の対応は、福岡、長崎、熊本、沖縄など十県が居住地域や入院先病院名、出身県、職業、年齢、家族構成などの項目の一部を公表すると回答しています。また、福井、香川両県も居住地域などの公表を検討中。逆に、青森県と東京都は自治体としての公表は一切考えていないとしています。
 本県の対応指針(マニュアル)には 、公表の定めがありませんが、公表するのか、しないのか、国と同時に公表するのか、また公表するとした場合、国の基準以上の公表はあるのかお尋ねします。

(答)福祉保健部長
次に、公表基準についてであります。
可能性例が出た場合の公表内容は、性別、年代(10歳刻み)、国籍、渡航地域、症状及び接触者の状況等国に準じたものとしており、感染拡大が懸念されるときは、その時点で国と十分な連携をとって必要な情報提供を行うこととしております。

 昔は不治の病といわれた結核、ハンセン病やHIV感染者などいわれなき差別が生まれたことは記憶に新しい。新たな差別を生むことになれば大きな問題であります。プライバシー保護の観点からも感染者の人権を守ることはなによりも優先されなければならないと思います。しかし、今回のSARSは、現状において死亡率がかなり高く、感染力が強いのではないかなど未知数の部分が多いのも現実です。公表する前に新たな感染者が発生した場合、「公表しなかったから対応が遅れた」と非難される可能性も充分あり得ます。解明された段階に応じて変更していくべきではないでしょうか。人権に十分配慮したなかでの情報公開が必要だと考えますので、県の見解を求めます。以上、福祉保健部長にお尋ねします。

(答)福祉保健部長
次に、情報公開に関する考え方についてであります。
情報公開にあたっては、いわれのない偏見差別が生じないように人権に十分配慮し、無用の混乱を避け、不必要な不信・不安をまねかないよう適時・的確な情報分間に努めて参りたいと考えております。

 また、SARSの影響で、海外からの観光客が減少しているようですが、観光宮崎に与える影響について、商工観光労働部長にお尋ねします。

(答)商工観光労働部長
SARSの本県観光に与える影響についてであります。
県では、SARSの本県観光に与える影響につきまして、今年5月に主な観光関連企業への調査を行いました。
その結果、一部の施設において、台湾や香港などからの宿泊予約がキャンセルされたり、新規予約が入らないとの回答がありました。
また、ほとんどの県内旅行代理店から、アジア方面へのツアーの中止等により海外旅行の取扱が減少しているとの回答がありました。さらには、6月下旬から8月下旬にかけて計画されておりました台湾からのチャーター便、26便についても中止となるなど
観光関連業界にいろいろな影響が出てきております。

 次に、動物由来感染症対策についてであります。
最近SARSの感染源と疑われているハクビシンが一躍有名になりました。東京都内では町中を歩いていたとの報道がありました。国内にもペットとして多数輸入されているとのことです。WHO(世界保健機関)は中国南部で売られていた食用のハクビシンなどからSARSウイルスに類似したウイルスが分離されたとして、各国に注意を呼びかけています。
インフルエンザやペストなどの動物から人にうつる病気は「動物由来感染症」とか「人畜共通感染症」などと呼ばれ、世界で三百近くにのぼると言われています。そのうち、日本で確認されているのは数十から百程度とされ、これまで比較的少なかったわけであります。しかし、空前のペットブームで、日本でも動物由来感染症の危険が高まっているようです。
 昨年、松江市内の公園で、従業員や観光客が鳥からオウム病に集団感染したケースが報告され、また、野兎(やと)病に感染した疑いのあるプレーリードッグが輸入され、人への感染はなかったものの、その後ペスト感染の恐れもあるとして、全面的に輸入禁止となっています。プレーリードッグは、ペットとしての人気が高く、昨年は約一万三千匹も輸入されているのです。
 普通の家で飼っている、ペットとして一般的なイヌやネコも安心できません。ネコを飼い始めたらインフルエンザに似た症状のQ熱に感染したなどという例もあり、全国で昨年46人が感染しています。今後とも新たな動物由来のウイルス感染症の発生が続くと思われますので、ここで福祉保健部長にお尋ねします。
 まず1点目は、国は今月5日、SARSウイルスを持ち込む恐れがある中国産のハクビシン、タヌキ、イタチアナグマの輸入を法的に禁止することを決めましたが、
県内にも輸入されたハクビシンはいると思われますが、その実態及び対策についてお尋ねします。併せて、本県の動物由来感染症の現状と対策についてお尋ねします。

(答)福祉保健部長
次に、県内におけるハクビシンの実態と対策についてであります。
県内のペットショップ等の動物取扱業者123施設を調査した結果、1件の取扱いがありました。このハクビシンはペットショップが2年前に購入し、1年前に販売したもので、6月から輸入が規制された中国産ではありませんでした。
飼育者に対しては、管轄保健所を通じ、汚物の適正処理、手洗いの励行等、動物由来感染症の注意事項に対する指導を行ったところであります。

(答)
次に、動物由来感染症の現状と対策についてであります。
平成14年次に発生した本県の動物由来感染症患者数は、腸管出血性大腸菌感染症、ツツガムシ病等71名でありました。動物由来感染症の予防対第といたしましては、
各保健所が、本年3月から4月にかけて、動物取扱業者に対する衛生管理指導を実施いたしました。
また、啓発用パンフレットを6万部作成し、4月から6月に実施される狂犬病予防注射会場で、犬の飼育者に配布いたしております。
さらに、小学生等を対象とした動物の適正飼養教室を開催し、動物由来感染症の周知と感染防止の啓発を行ってまいります。

 次に、麻しん集団接種につきましてお尋ねします。
 麻しん、はしかは誰でも小さいときに一回はうつる病気だと認識されていますが、中には重い症状となり脳症で命を落とすこともある怖い病気です。しかし、予防接種を受ければまず感染は防げます。
 本年3月に、都城北諸地区で麻しん(はしか)の集団発生が起こったため、県は同地域の市町村に小中学生を対象に「定期外」予防接種を実施するよう再三にわたり指導助言されているようであります。定期外の予防接種の実施はあくまで市町村長の職務であり、県はあくまでも側面的な支援しかできないと思います。しかしながら、県の強い指導によって市町村は学校を会場に実施を決めました。麻しん予防接種は、副作用などの医療事故を心配し、20数年前の発足時から医療機関で実施されています。現在では、副作用のほとんど心配のいらない不活化ワクチンの予防接種さえも、すべて医療機関で実施されています。
 麻しんの流行を止めるため、医療設備のない小・中学校で予防接種を実施することは副作用や医療事故が発生した際の問題など大きな危険性を伴います。実施主体の役場の保健部局も大変ですが、予防接種の会場を貸す立場の学校も対応が大変でしょう。
 このような現状に対し、医療法上の問題はないのか。また定期外実施を指導助言している県の考え方、また実施に伴う県の責任の範疇について見解をお尋ねします。

(答)福祉保健部長
次に、麻しんに関する御質問であります。
学校を会場として行う予防接種においては、医療法上、往診による取扱となっております。今回の定期外予防接種につきましては、麻しんが極めて感染力の強い疾病であること、麻しんの予防法は唯一予防接種のみであることなどから、集団感染を阻止する手段として効果のあるものと判断しております。
また、市町村が実施主体であることから、県としましては、技術的な支援及び助言が責務であると考えております。
なお、複数の市と町が同時期に協同で行う今回の取組みは、画期的なものであると国立感染症研究所から評価を受けております。

 そもそも、学校で麻しんが集団発生すること自体が問題です。集団発生を予防することが重要ではないでしょうか。子どもたちが予防接種を受けていれば確実に発生は防げます。乳幼児検診や入学時検診時にチェックし、接種を勧奨すれば防げるわけです。それが不十分ではなかったのか、今そのことが問われています。さらに問題なのは、今回の集団発生は今年1月に、ある学校からすでに始まっています。その事実を保健所が把握したのは3月になってからと聞きます。学校からの通報はなかった。もっと早く保健所が把握していれば事態は違っていたはずです。保健部局も教育委員会も本来の役割をきっちり果たしていたらこうはなっていなかったと思います。それぞれ緊密な連絡体制の再確認が必要ではないでしょうか。福祉保健部長及び教育長の見解を求めます。

(答)福祉保健部長 次に、麻しん予防に関する教育委員会との連携についてでありま
す。
麻しんは、感染症法により発生動向調査の対象疾患となっており、
小児科等定点医療機関から毎週報告をいただき、流行の把握を行っているところでありますが、学校など集団生活をする場で流行することから、学校感染症を所管する教育委員会と連携し、集団発生の早期発見と早期対応に努めて参りたいと考えております。
なお、麻しん予防の基本的対策は、高い予防接種率の確保でありますので、県といたしましては、現在、関係機関と連携して“はしかゼロ作戦”に取り組んでいるところであります。

(答)教育長
麻しんの集団発生についてであります。
麻しんなどの学校伝染病が発生した場合には、小・中学校におきましては、市町村教育委員会へ県立学校におきましては、県教育委員会へ報告するようになっております。
さらに、市町村教育委員会は、地域の保健所へ県教育委員会は、福祉保健部へ報告することになっております。今回の、小・中学校における集団発生に際しましては、
地域保健所等との連絡が、不十分であったことを反省し、市町村教育委員会並びに学校に対して、児童生徒の健康観察や、保健指導の在り方などを含め、強く指導を行ったところであります。
今後、学校伝染病の集団発生が、起こることがないように、各市町村教育委員会、地域保健所、福祉保健部との連携を図りながら、緊密な連絡体制の整備に、努めてまいります。

 次に、結核予防についてであります。
日本の国民病とまでいわれた結核。昭和20年代は患者59万人、年間9万人の死因となっていました。現在でも年間4万人近が感染し、また年間約2600人が亡くなっています。いまだに日本最大の感染症には代わりない恐ろしい病気であります。
 40歳代以上とくに高齢者に患者が多い。結核予防法施行令及び学校保健法施行規則の一部改正で、学童のツベルクリン反応検査・BCGは廃止され、廃止後の結核発生予防策は年に一回の住民検診の強化と医療機関での早期発見に重点を置くとなっています。
 しかしながら、ハイリスク者ほど検診を受けないのが現状です。関心がないから病気が悪化するまで放置する。成人病(生活習慣病)を含めてそういう傾向なのではないでしょうか。本県でも年間300人位の人が感染しています。結核予防法改正後の本県の結核予防対策についてその課題を福祉保健部長にお尋ねします。

(答)福祉保健部長
次に、法改正後の結核予防対策の課題についてであります。
法改正後の課題としましては、4歳未満の早期での予防接種の徹底、高齢者など結核を発病しやすいハイリスク・グループの健康診断の徹底及び集団感染に対する的確な対応であると考えております。
県としましては、今後とも、結核対策の動向に留意しながら適切に対応して参りたいと考えております。

 次に、性感染症「クラミジア」対策についてであります。
 性器クラミジア感染症がここ数年、急増しています。性行為によって感染する性感染症の中で最も多く、全体の46%を占めるようです。その背景には、この病気に対する認識不足があると指摘されています。特に女性は、症状が出にくくて見逃しやすいといわれています。厚生労働省の統計によると、性器クラミジア感染症は現在、世界的にも最も多い性感染症です。わが国においても、性器クラミジア感染症は1992年以降は淋菌感染症に代わって最も多い性感染症となりました。しかし、その初期においては淋菌感染症と比較して著明な自覚症状があるわけではないために潜在化し、感染は拡大し蔓延傾向にあります。このような無症候性感染がクラミジア感染の特徴であり、検査を行わなければ感染を見逃すことになってしまいます。近年の年齢別報告数の推移をみると、10歳代および20歳代で全体の約70%を占め、若者の増加が目立っています。女性の場合、不妊、卵管妊娠(子宮外妊娠)、新生児への産道感染、さらには流産、早産の原因菌になる可能性が出てくるといわれています。
 宮崎医大の今井講師が県内学生1万2000人を対象に世界最大の実態調査を行っています。中間集計では県内学生のうち男性の7.0%、女性が9.1%が陽性とのデータが明らかになっています。10人に一人はクラミジア感染者であるという驚くべき数字です。近年の若者の性行動の大きな変化がこの数字から読みとれます。この感染率を低下させるためにはどう対処すればよいのか。若い年齢層、とりわけ高校生を対象にした「正しい知識の普及」の啓発活動が急務と思われます。病気にかからないためには多数のパートナーとセックスをしない、するときにはコンドームを使うといった常識的なことを教える必要があます。HIV・AIDS対策と同様の対策が必要です。しかし、こういったたぐいの話題になると「寝た子を起こすな」議論が起こります。若者はみんなとっくに起きています。本県の現状と今後の取り組みについて福祉保健部長及び教育長にお尋ねします。

(答)福祉保健部長
最後に、性器クラミジア感染症対策についてであります。
近年の動向としまして、10代の若年層に性器クラミジア感染症罹患率の急激な上昇が認められております。この背景には若者の性行動の活発化等があることから、性教育が重要であると考えております。
県としましては、学校と連携して保健所保健師等による性教育や高校生を対象とした同じ悩みを持つ者によるビアカウンセリング等に取り組んでおります。
今後とも教育委員会と連携して、性感染症に関する正しい知識の普及に取り組んで参りたいと考えております。

(答)教育長
次に、性感染症についてであります。
性器クラミジア感染症については、自覚症状がないままに進行し、将来、不妊症などの原因となることから、正しい知識・理解のもとに、予防する必要があります。
学校におきましては、文部科学省が作成した、「性感染症に関する指導マニュアル」や、パンフレット等をもとに、生徒に対して、啓発活動を行っております。
また、産婦人科医の協力を得ながら、具体的かつ実践的な指導にも努めているところであります。今後とも、深刻化する性感染症を、生徒自身が身近な問題としてとらえ、
正しい知識を身に付け、自ら予防していく態度や能力を育てるよう、学校、家庭、地域、並びに諸関係機関と連携を深めながら、教育活動全体を通して、指導してまいります。

 次に、交通安全対策についてであります。
 まず、信号機の設置についてであります。
 年々、交通量は増え、道路改良も進み、信号機設置については、地域住民から多くの要望があるんではないでしょうか。限られた予算では、すべての要望に対応できないことは理解できますが、多くの住民は要望すればそのうち信号機はつくと思っているのが現状です。大型店舗が開設された場合などのように道路環境は刻々と変化しており、住民の要望、市町村からの要望など多くの要望が寄せられていると思います。そこでお尋ねします。(1)昨年1年間の要望件数及び設置件数。(2)また、限られた予算の中で、どのように優先順位を付けているのか。(3)市町村との連携について。(4)大型店開設など大きな変化があった場合の優先順位の付け方。(5)地域間の新規設置数のバランスはどうなっているのか、以上警察本部長にお尋ねします。

(答)警察本部長
お答えします。
平成14年度の信号機設置要望数は、約310件で設置基数は
106基となっております。通常は、毎年40基前後の設置数となっておりますが、平成14年度は、平成13年度の国の補正予算により72基が認められた関係で、県単事業の34基と合わせますと106基となり、例年より多く整備したところであります。
信号機の設置順位lこつきましては、
○交通事故の発生状況
○交通量
○通学路等の有無
○交通の円滑性の確保
等を総合的に判断しながら、地域性に関係なく必要性及び危険性の高い箇所から順次設置しているところであります。
設置にあたりましては、市町村等の道路管理者とも事前協議するとともに、地域住民の声をできるだけ反映させることにも配慮しているところであります。
また、大型店舗が進出し、交通渋滞を引き起こす事態が予想される場合には、進出計画に合わせまして道路管理者や事業者側に対して、計画段階から交通管理上の意見を申し入れるとともに、必要に応じ信号機を設置するなど施設周辺の交通安全対策について万全を期しているところであります。

 次に、スクールゾーンの指導についてであります。
 交通弱者を守るためのスクールゾーンについて、PTAの一員として感じることがあります。朝の通学時間に交通安全の旗持ちをしていると、その時間帯にスクールゾーンを無視をして子どもたちの隊列の横を走り抜ける車の多いこと。私は毎回、そのことを日誌に書いて学校に情報提供してきた甲斐があって、前回警察官に来ていただき、指導してもらいました。警察と学校・PTAとの連絡調整の更なる緊密化が必要ではないかと感じます。このことについての警察本部長の所見をお伺いします。

(答)
次に、スクールゾーン内の違反車両に対する指導についてであります。
スクールゾーンにつきましては、一般車両の通行を禁止するなど通学児童の安全を確保するための諸対策を推進しているところであります。
しかしながら、ご指摘のとおり、交通規制を無視して通行する車両が見受けられるところでありますので、さらに学校やPTA等関係機関・団体との連携を緊密にして交通規制の周知徹底等に努めるとともに警察官をはじめ交通安全指導員を重点的に配置するなど、児童の保護を図っていく所存であります。

 次に、ライト点灯運動についてであります。
 現在、10月頃から薄暮時の「早めのライト点灯」運動が県民運動として実施されています。事業者や行政など昼間も点灯運動を実施しているようですが、県民に広がりが見られません。トンネルの中でさえ点灯しない車が多い状況です。昼間でも降雨・曇天時など見通しの悪いときはライトを点灯しようという運動を県民運動となるような啓発活動の展開はできないでしょうか。事故の減少にも繋がると思いますが、生活環境部長
の見解をお伺いします。

(答)生活環境部長
ライト点灯運動についてであります。
自動車のライト点灯につきましては、歩行者や対向車から確認しやすくなることにより交通事故の防止につながるものであり、県では毎年10月から夕暮れ時の「早めの点灯」・「ピカピカ運動」を実施しているところであります。
降雨時など見通しの悪いときのライト点灯も、同様に交通事故防止に一定の効果があるものと考えられます。県といたしましては、宮崎県交通安全対策本部を中心に各季節の交通安全運動等を通じて、降雨特等のライト点灯を含め、県民の交通安全意識の高揚が図られるよう啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。

 最後に、株式会社の農地取得についてお尋ねします。
 今年の4月から特区内に限って株式会社の農業参入が認められました。
 その趣旨は、担い手不足、農地の遊休化が深刻で、農業内部での対応ではこれらの問題が解決できないような地域において地域農業及び地域経済の活性化を図ることを目的に、地域との調和や農地の適正かつ効率的な利用が確保されることを前提にして、農業生産法人以外の法人の農業経営を可能とする農地法の特例措置を講ずる、という内容であります。
 農水省は、農業特区を多用な担い手の実験区として位置付け、一般の株式会社やNPO(民間非営利団体)、生協などに農業経営の道を開くことにより担い手不足解消にもなる、と積極姿勢であると私には写ります。「食と農の再生プラン」においても、農業の構造改革を加速化する手法として積極的に推進することを提案しています。
 一方、JAグループの考えは次のとおりです。
 (1)農業生産法人の一形態としての株式会社が認められたばかりであり、その検証・評価なしに新たな株式会社の農業参入は認められない。
 (2)特区導入にあたっては地域農業との調和が十分得られること。
 (3)無秩序な転用や耕作放棄につながらない厳重な措置を講ずること。等々です。
 株式会社一般の農業参入は農業の担い手政策の基本を変えることになり、農村現場の農政に対する信頼が揺らぐことは必至の状況です。食料・農業・農村基本法では、将来にわたる農業の担い手は、家族農業経営を軸として展開することを前提としているにも関わらず…です。このような中で株式会社に農地取得を認めることは日本農業の崩壊につながるのではないでしょうか。
 ここで株式会社の農地取得に関してお尋ねしますが、次の5点につきまして、県の見解をお尋ねします。
(1)家族農業を基本とする耕作者主義の否定につながらないか。
(2)水管理など集落機能の弱体化につながらないか。
(3)事業撤退となれば農地荒廃の恐れはないか。
(4)農外資本による経営支配の恐れはないか。
(5)農地の投機的取得がなされないか。
 以上、農政水産部長にお尋ねします。

(答)農政水産部長
株式会社の農地取得についてであります。
近年、農業分野における規制改革の一環として、一般の株式会社など、農業生産法人以外の法人に農地取得を認めるべきであるという議論がなされております。
この議論の中では一般の株式会社が農地を取得することについては、事業から撤退した後の農地の荒廃化や、投機目的で農地が取得されるおそれがあることなど、様々な問題が提起されていることは、ご指摘のとおりであります。
県といたしましては、地域農業の持続的発展を図る上で、農業経営の基盤である農地は、維持管理の面からも地域に根ざした農業者が安定的に所有すること、さらには、今後とも、認定農業者等の担い手を中心とする農地の効率的利用が可能な体制を維持することが、必要であると考えております。


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