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「平成11年度宮崎県一般会計補正予算」に賛成する討論

議案第1号「平成11年度宮崎県一般会計補正予算」に賛成の立場から、社会民主党県議団を代表し、討論を行います。
 日本経済は、大型金融機関の相次ぐ倒産、合併といった金融情勢の激変や雇用不安を要因とした消費の低迷など、バブル崩壊以後の長いトンネルから抜け出すことができず、戦後最悪ともいわれる不況に見舞われております。
 このような厳しい状況下にあって、本県としても、公共投資等による景気回復や雇用の確保といった緊急の対策が必要かつ不可欠となっています。
 今回上程されました平成11年度一般会計補正予算は、このような観点から、緊急に実施すべき事柄であると考えるものであります。
そこで、今回補正予算において議論となっている「国際コンベンション・リゾートみやざき振興事業」についてであります。知事は提案理由説明のなかで、来年2000年を、3年にわたる県民運動として取り組んだサミットの年であり、言わば国際コンベンション・リゾートみやざき」が本格的に始動する画期的な年としておられますが、観光リゾートを基幹産業とする本県といたしましては、まさしくその浮沈をかけた時期と言っても過言ではありません。このような時に、現在苦境に陥っている観光リゾート産業に支援の手をさしのべることは、3万人ともいわれる雇用の確保のみならず、景気刺激策として本県経済にも多大な効果を及ぼすものであります。
 特に、コンベンションリゾート施設につきましては、一度に大勢の県外客を宮崎に呼び寄せることが可能であり、飲食店、バス・タクシー等の運輸業、農水産物、土産品等、あらゆる方面の経済活動に多大な影響を及ぼすこととなるほか、リピーターとしての宣伝効果なども考え合わせると、その波及効果はきわめて大きく、景気・雇用対策として是非とも取り組まねばならない緊急の課題であると考えるものであります。そのような意味において、今回、県当局が財団法人宮崎コンベンションビューローを管理運用先として基金を創設し、かつ、その大半を、現在安定運営に支障をきたしております、シーガイアに充てるものとして決断されましたことは、本県観光の拠点としてのシーガイアの規模や本県経済、景気・雇用に与える影響を考え合わせますと、シーガイアを閉鎖してはならず何とか営業の継続を図ることが極めて重要であると判断し苦渋の決断を致したところであります。
 しかしながら、本事業につきましては、県民の誤解を招きかねない問題を含んでおりますので、社会民主党県議団といたしましても、賛成を表明するにあたり、以下の4点についての確認を求めておきたいと思います。
 まず第一には、今回支援の主目的は、「フェニックスリゾート社」そのものの存続を目的としたものではなく、観光リゾート産業の中核をなすシーガイアの営業存続を図ること、また、当面する雇用確保の問題も含めた、本県経済に与える影響がきわめて重大との判断から支援の必要性を認めるものであります。従いまして、県を株主とした第3セクターであるからとの論理により、会社そのものの存続を目的として、今後再び公的支援が必要とされることがあってはなりません。そのためには、これまでの経営責任を厳しく追求するとともに、第三セクターとしての再建策ではなく、むしろ民間主体での「フェニックスリゾート社」の存続問題も含めた抜本的な経営改善策を策定し、経営再建が図られなければならないのであります。仮にシーガイアが倒産、営業活動が停止し、従業員が解雇されるといった事態になれば、シーガイアの資産価値そのものの下落を招き、青島橘ホテルの例をあげるまでもなく、営業再開は到底困難となることが予想されるのであります。そのような事態に陥れば、本県の景気浮揚、雇用確保に与える影響は極めて大きく、絶対に避けなければならない事態であります。宮崎丸の沈没は絶対避けねばなりません。我々社会民主党県議団が主張する公的支援の必要性は、まさしくこの観点からのものであることを強く主張しておきたいと思います。と同時に、県の株主としての責任の在り方についてであります。今回の提案は「フェニックスリゾート社」の経営危機に対する緊急避難措置として提案されましたが、これまでの経緯から、この事態は容易に予想されたことであり株主としての認識の甘さを厳しく指摘しておきたいと思います。
 第二点目は、基金の運用先についてであります。申すまでもなく、この基金は、シーガイア以外の他の県内観光リゾート施設への支援についても、重要な役割を果たすべきものであります。例えば、大淀川河畔のホテル街、青島・日南海岸といった観光リゾート施設についても、本県観光リゾート産業の中核を担う施設としての役割を担っていること、また、景気低迷の影響を受け、大変厳しい状況に置かれていることはシーガイアと同様であります。従いまして、その運用にあたっては、公平性・平等性が十分に保障されることが必要でありますので、この点をご確認いただきたいのであります。
 第三点目は、情報公開の必要性であります。
現在シーガイアを経営しておりますフェニックスリゾート社は、商法上の株式会社であり、他の民間企業との競合の必要性から、多くの資料が公開されていない状況であります。しかしながら、今回公的支援を行うにあたっては、県民に対し誤解を招かない努力を行うことが前提条件であり、すなわち、常に県民の監視を受ける必要が生じたということであります。したがいまして、県当局は積極的な情報開示に努めること、監査体制の充実強化により、貴重な税金が産業振興策として公明正大に役立てられていることを県民に示すこと、また、基金の管理運用にあたる宮崎コンベンションビューローにおいても、第三者機関の設置等により適正な運用が図られるよう責任をもって対処するなどの努力を強く求めます。と同時に、本事業が県民の付託に応え、十分な成果をあげるためには、知事を頂点に全庁的なプロジェクトチームを早急に立ち上げ、万全を期して頂くことについても、強く要望しておきたいと思います。
 第四点目は、従業員の就労環境についてであります。たとえ立派な経営改善計画ができたとしても、従業員の協力がなくては、絵に描いたモチにもなりかねません。聞くところによりますと、新聞等で売却等が報道されるたびに、従業員の皆さんに不安と落胆がおこっているとのことであります。また、退職を考えざるを得ない気持ちに追い込まれている方がおられるとも聞いております。観光産業は、とりわけ人が資本であります。県にあっても、従業員の動揺を防ぎ、希望をもってこの苦境を乗り切ることができるよう、最善の努力を払っていただきたいのであります。
 今回提案されました「国際コンベンション・リゾートみやざき振興事業」は、県勢発展、豊かな県民生活を確保するうえで、大変重要な事業でありますので、以上4点を指摘し、本事業が最大限の効果をあげることを強く要望申し上げまして、議案第1号「平成11年度宮崎県一般会計補正予算」に賛成する討論とさせていただきます。


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